さくらロード

当然、彼からの好意を否定できるわけもなく、私はあっさりと受け取ってしまった。

鷺沼くんは相変わらず頬を赤く染めながら満面の笑みで私を見てくる。

彼の気持ちに気付いているのに、こうやってすぐに返事を返せない私はどうかしていると思う。

鷺沼くんは美形だ。文武両道な上に人当たりもよく女の子達からの人気も高い。申し分ないくらいの素敵な人だ。

そんな人を簡単に振ろうものなら彼の自尊心さえ傷つけてしまうかもしれないし、周りからもなんと思われるか分からない。

私は心の中で葛藤する。