卒業までに





チラッと1番後ろの席のわたしからは遠い、1番前に座る成田を見つめる。



…寝癖くらい直してきたらいいのに。



思わずふっと笑ってしまう。



でも、それすらも愛しいと思えるほど、わたしは成田が好きだ。



好きだけれど、もし振られたら?



両思いになっても遠距離になったら?



それが不安でどうしても一歩を踏み出せない。



それがわたしの恋なのだ。