「来ると思ってたよ。谷川音夢。」

魂となった私にさっきの悪魔が囁きかける。

「……まぁ、来ると言うか来させただけどね。」

悪びれもなくひょいと肩をすくめる。

「君の怨念は強力だ。このまま地獄へ行くのには勿体ない。」

ニィと牙を覗かせる。

「絶望している人に取り付いて、君のような苦しみを味わわせてはいかがかな?」


さっきまで青かった魂が、心なしか赤く光った気がした。