「ふざけるな。」
ポロッと口から言葉がこぼれた。

「何かいいまし……グフォッ」

悪魔が言葉をしゃべる前に私はそいつを殴り付けていた。

許さない。

悪魔も。
この世界の谷川音夢も。

悪魔はケホケホと咳き込みつつ、ニィと笑ってこう言った。

「待ってますよ。」

これが暗黒の世界から聞こえてきた最後の言葉だった。