気が付くと、またあの真っ暗な空間の中にいた。

「やぁ、また会ったね。」
ヘラヘラと笑っている愛来汰がいた。

私は、さっきの愛来汰のように、確信した。
こいつは愛来汰じゃない。

「お察しの通り、僕は愛来汰じゃないよ。」

そいつは一息ついてこう言った。

「僕は悪魔さ。」

ニィと笑ったそいつの口の端に、小さな牙がはえていた。