嘘と逃避とオモイデ

気まずい沈黙が流れる。

先に沈黙を破ったのは愛来汰だった。

「あ……えっと、その……大丈夫なのかな?じゃあ、これで……」

目線を合わせようとせず、早口でそう告げ、その場から立ち去ろうとした。

「待って!」

自分でも無意識のうちに愛来汰の袖をつかんでいた。

「ねぇ、どうして?」

いろんな思いがぐちゃぐちゃになって、やっと出てきた一言だった。