「愛………来汰………?」

涙混じりに出した右手を遮るように愛来汰は私の横に来た。

「やぁ音夢!久しぶりだね!」
「う………ん………」

私はこれまでの苦しい日々でためたストレスや苦しさを吐き出そうと口を開きかけた。

「あのね…」
「そういえばなんでここに来たのか疑問に思うでしょ?」
「あ、う、うん。」

さっきから私の意見を遮るように愛来汰が喋ってくる気がする。

「あ、…………音夢は…………が……………だった。」
「え?愛来汰?何か言った?」
「ん?なんでもないよ。ま、夢みたいなものかな?じゃあ、バイバイ、音夢。」
「え、もういっちゃうの?」

私の質問には答えずに、ニッコリと笑いながら愛来汰は私に手をふった。


私はそこで、意識を失った。