『はーい、寝ている人を起こしてください。そろそろ着きますよー。』

先生の号令がかかる。

バス内がざわざわとしたまま、解散場所に着いた。

当たり前のように1人で帰る。
愛来汰と颯士がいたらなぁ。こうやって1人で帰ることもなかったのに。

後ろから島本さんたちのバカ騒ぎが聞こえる。うるさい。

そんなことを思いつつも、もくもくと歩いていると後ろから歌が聞こえてきた。

バス内で見ていた映画のエンディングソング。颯士が好きだった曲。私は何かが砕ける感覚を覚えた。

別にひどい言葉を言われた訳でもないのに。