小学校の時は私なんか空気のように扱っている島本さんの代わりに、バカ話をしてくれる莉穂ちゃんがいた。

小学校の時はいきなり振って目も合わせてくれなくなった彼氏の代わりに、私が想いを寄せていることを知っていても、優しく接してくれる吉川君がいた。

それに………

よってたかっていじめてくるクラスメイトの代わりに愛来汰や颯士がいた。

思い出していくうちにじわっと涙がにじむ。

私はあわてて涙を拭いた。

泣いているところなんか見られようもんならこれからもっとからかわれるようになってしまう。

私は泣いていることをごまかすために目をつぶった。

そのままスーーッと意識が遠のき、眠りについた。