でも前と変わったことがある。

それは逃げる世界が出来たこと。

世界といっても本当に新しい物理的な世界ではなく、私の頭の中にある思い出の世界。

毎日毎日過去の思い出に入り浸る日々。

愛来汰や颯士と過ごした何気ない日々を思い出す。

登下校している時カタツムリを見つけて騒ぎまわったこと。
颯士の恋愛を愛来汰とからかったこと。
凍った水溜まりを2人と一緒に割ったこと。

あの頃は本当になにも考えず過ごしていた。

でもこんな状況におかれたなら、なんてことない日々も大切な思い出になってくるんだね。

授業中に1人、しみじみと物思いにふけっていた。