思いは海の底に沈む【完】

しばらく、ぶつぶつ言いながら頭を抱えている





「なんで、どうしてこの私が…」

『あ、ごめんね。役者は普通にキスをするけど柊さんは一般の人だもんね。今のは演技だから忘れていいよ!』

「普通に!?あんな卑猥な行動を!?
だいたい、アナタ!なんで女物の服なんて!」

『えっへへ。羨ましい?緑川さんが考えてくれた変装』

「…それはただ単に緑川の趣味なのでは?」

『そうとも言う。でも楽しいよ?柊さんもやってみたら?』

「私を変態の仲間に入れないでください!」

『あっはは!でも良かった傷ついてなくて、今のは事故だと思って』

「事故だと思えますか?簡単に忘れられますか?」

『え?』

「あんなキス、初めてだったのに…」

『…』





柊さんは顔を赤くしている
どうして、そんな顔するの?
ちょっとからかいたくなるじゃん