思いは海の底に沈む【完】

「でも、それが更にムカついたの。
それが美羽の悪事を加速させた

その頃、薬が流行ってたの。
この街でも例外ではなかった。
少し出歩けば薬が手に入る。

お金持ちはお金と暇を持て余してるの。
美羽はたちまちハマった

感覚も麻痺してきてどうでも良くなってた」

『っ』

「美羽はついに乙羽を拉致して知り合いの男たちに襲わせたの。
まぁ、案の定蓮とかに懲らしめられたんだけど

その時に初めて乙羽は美羽に怒ったんだよね。

美羽は自分が努力してないのに乙羽に当たり散らしてたんだって
そこでやっと気がついたの

きっと人は、庇うことでその人の経験を奪ってるんだね」


『…それ、何で俺に話すんですか?』
まさか、俺が柊さんに話した話はどこまで広まっているのだろうか。
そうなっても仕方ないが…。

美羽さんは状況がよくわからない、という風に美羽さんは首を傾げた
「?それがね、なんだか分からないんだけど」

『は…?』

「分かんないけど蓮が話しろって言うから。
なんか、悩みがあるみたいだからって」

『…そうですか』



何も広まってないのかもしれない。そうだとしても、真実だ。だからもう物怖じしないけど

テレビ、見てないから美代子さんがどうなってるのかも俺は知らなかった






__庇うことでその人の経験を奪ってる…。


俺は乙羽さんと同じだった。
蓮さんの言った通りだった

俺は美代子さんを盲目に甘やかし続けてきた
積み重なって話では解決出来なくなっていた。

美代子さんをここまで追い込んだのは俺自身だった。