思いは海の底に沈む【完】

「美羽は乙羽と一緒に産まれたから双子なの
昔から何をするとしも一緒で扱いも一緒だった

乙羽は美羽より頭良くて真面目でパパの仕事もお手伝い出来るほど優秀で
乙羽は他人からの評価も高かった

大人に好かれて洋服デザインのやり方を教えてもらったりしてコンテストとかでも
だんだん優勝してった

美羽は勉強も出来ない。
お友達も周りはお金持ちのお嬢様で高いファッションの話とか興味なくて合わなくて
美羽はあの頃、本当に一人ぼっちだったの。


だから学校では乙羽の悪い噂とか流して孤立させたの
乙羽は何も言わなかった。美羽が悪くなるのが嫌だったんだと思う

最初はそれだけだった」

『…』

「でも、パパが古い考えの人でね、
結婚出来る年になったら美羽も乙羽もお見合いをしたの

あ、お嬢様達は結構普通な事なんだけどね

でも、乙羽は引く手数多で結局会社に有利なおじさまに決まったの
乙羽は八方美人でしょ?その人に随分と気に入られてた。


一方、美羽は蓮との婚約が決まったの」

『…はい』

「親同士が決めて偶然だったんだけどね。

でも、美羽は学校中退出来るし蓮の性格上、好きに生きていいって言われて舞い上がってた。

でも、、ちょっとしたら飽きちゃったんだよね
ほら、お料理は使用人がやってくれるでしょ?
お勉強はしなくてもいいし
娯楽しかやってなくてもう、ウンザリだったの」

『…ウンザリって…』

「だから美羽は海外旅行を思い出したの!
でも、蓮は良くてもパパが世間体的にダメって言ったから

乙羽に頼んで代わりに暮らしてもらったんだ。
乙羽は何も言わずに
他のデザインの仕事や学校に行きながら黙って美羽の代わりを務めた

そしたら、二人ともお互いに好きになっちゃって…。
ま、よくある話だよね

だって美羽なら家に帰ってこない事が多いのに、乙羽とは毎日一緒にいるんだよ?
でも、それが許せなくてムカついて

海外旅行から帰ってきたときに何とか乙羽を潰せないか考えてた

もう分かるでしょ?
乙羽も蓮も分かってた。でも、止めなかった。
乙羽はバレそうになると必死に隠してくれた」

『…』