思いは海の底に沈む【完】

ホテルに運び込まれる





近くにあったグラスを僅かな力で割り白石さんに突き立てる






『どうして…こんなこと…』

「だってどうせ付き合うなら若くて綺麗な男が良いでしょう?
湊くんもそう思わない?私なら沢山お金持ってるわよ?」


この人は何でこんなこと言えるんだろう
これは付き合ってると言えないのに


この人の言った友男の好きはこの人と似てるのかもしれない






そんなことを考えているとあっという間に軽い力で押し倒された




割れたグラスを白石さんに向ける



「あら~、そんなことしてもいいの?俳優人生終わるわよ?
大人しくして?お姉さんといいこと、しよ?」



バレたらどっちにしても終わりだ




こんなところで終わらせる訳にはいかない





グラスを自分の足に突き立てた




「!?湊くん!何やってるのよ!!」

『これで…俺は襲われたとマスコミに売れますね…。どっちですかね。人生が終わるのは…』

「なんて子なの……」





血が流れてベッドに染まる

意識が遠退くのを何とか保ちながら俺は立ちあがり逃げる




白石さんは呆然とへたりこんでいた







とはいえ咄嗟の出来事でやってしまったが
血を滴ながらなんて警察沙汰だし

やばい……。





携帯電話機を操作して緑川さんを探す

とにかくここから出ないと

…何も考えてないけど……