ギターの音色が音楽室に響く。 ゆっくりとしたアルペジオ。彼は目を瞑っている。 弾き慣れた曲なのか両手は迷いなく滑らかに動く。 甘ったるい音色に、腕の牡丹の花が似合ってるような気がした。 最初は小さかった音も大きくなって、 そこからだんだん速くなって、 音と音の切れ目がなくなって… ぱっ、と止まった。