あの花火が散る前に

家にいても特にすることはないから


ずっと部屋で寝ていた。


ピンポーン


インターホンのなる音がした。


誰だろう。


ドアを開けると目の前にいたのは柊琉だった。


「柊琉!?」


「体調、大丈夫か? 」


手に持ったビニール袋を掲げる。


そこには水やゼリーなど


私のために買ってくれたと思われる物が


たくさん入っていた。


「え、わざわざありがとう。」


ほんとかっこいいんだから。


こんなことしてちゃ


きっと誰か柊琉に恋に落ちちゃうよ。


「明日は学校行くと思うから、待っててね。」


「おう、じゃあな。」


玄関のドアがパタンとしまった。