こんな時、彼がいたら「馬鹿だなあ」って笑ってくれただろうに。
悩んだ挙句に、前に一度彼が大好きだと言っていた桜の木の下に眠らせてあげることにしたのだった。
二人で並んで笑い合った思い出のあの桜の木。
ここならば、桜の花も綺麗に咲いてくれるし、彼もきっと喜んでくれる。
桜は皆に愛されている花。
きっと、桜を見る度に、皆…彼がいた事をずっとずっと忘れないでいてくれる。
そう信じて、誰にも気付かれないように深く深く埋めた。
でもそれが一生抱えることになる罪悪感と悔いしか残らない日々と失敗の始まりだった。
わたしの傷心振りを見かねた彼の親友だった翔ちゃんが、“彼の代わり”と言って献身的に何かと気にかけてくれるようになった。一度は激しく断ったのだけれど、「さくらに何かあれば俺があっちで殴られる」なんて笑いながら変わらず側にいてくれそれが当たり前になるには時間はかからなかった。


