3年前のあの日。
珍しく風邪を拗らせて寝込んでいたわたしのお見舞いにわざわざ来てくれたユキくん。
頭の撫でてくれたり、氷嚢を取り替えたりと甲斐甲斐しく傍にいてくれた。
「治ったらイルミネーション行くんだから、早く良くなれよ」なんて言ってくれたんだっけ。
その時高熱で働かない頭で、うんとかはーいしか返答出来なかったくせに、ユキくんからの「なんかいるほしいものある?買ってくるよ」の言葉ははっきり聞こえて、「じゃあさくらんぼのジュース飲みたいかな。好きなの」なんて何の考え無しに言ってしまった。
傍にいてさえくれればそれだけでいい、とどうして言えなかったのか。
「ちょっと待ってて。ちゃんと寝てろよ」が彼から聞いた最期の言葉だった。
ガチャンと閉まる扉。いま思えばまだ間に合ったのに。
「わたしがあんな我儘言わなければ…ユキくん家から出なかったのに!あんな事故に巻き込まれなかったのに!」
少し眠っていたタイミング、大きな物音に驚いて飛び起きた。すると胸に凄く嫌な予感が過って熱も寝間着もそのままで飛び出し階下へ下ると、そこには見たくもない事実が広がっていた。


