『どうしたの?悩み事?』

『えっ、いや、全然』

『考え事してたみたいだったから』

『…悩み事なんかないよ。毎日楽しくて充実してる』


嘘だ…


そんな訳ない。

こんなに苦しいのに。

『サンドイッチどうぞ』

姉さんの手作りのサンドイッチ。

兄さんは、当たり前のように何も言わずに食べる。

『姉さんのサンドイッチ、本当に美味しいね。お店出せるよ』

これは本音。

小さなカフェタイプのお店で、姉さんがセンスの良いエプロンをつけてサンドイッチを作る。

それを僕が運んで接客…

そんな妄想を一瞬にして考える。

『いつも凌馬君が褒めてくれるから、作りがいがあるわ』

そう言って微笑む姉さんの顔に、ほんの少しだけ寂しさが感じられるのは、どうしてなんだろう。