ユウ、それは無いだろ?

何で、そんなこと言うんだ。


僕達は、親友だろ?


『ユウ、お前』

ユウは下を向いて、深呼吸して、顔をあげて言った。

『急にごめんな。でも、もう俺達、ライバルだな』

『待てよ、そんな急に、止めてくれ』

『ごめん、ほんとに。でも、あの時、愛美さんと話してる時間、たまらなく嬉しかった、楽しかったんだ。女の子とはたくさん話してきたけど、今まで感じたことないよ、あんな幸せな感覚。俺の心、全部持ってかれた』


何の変哲もない時間が、とてつもなく苦しい時間に変わった。


『お前、何言ってんのか、わかってるのか?』


思わずキツく言った。


『あぁ、わかってる、俺も最低だ』