『何?』

『いや...この前、姉さんに会った感想っていうか』

『あぁ、そうだな』

ユウが、真顔になった。

表情が強ばった気もした。

『あれからゆっくり話す時間無かったもんな。どうだったかなって思ってさ』

ユウが頷く。

『なあ、凌馬。愛美さんは、お兄さんが浮気してるのを、知ってるような気がするんだ』

僕は、言葉が出なかった。

『確証はないけど、そんな気がする。愛美さん、すごく寂しそうだった。ディズニーに、本当はお兄さんと一緒に行きたいけど、それは叶わない。だから、半分やけになって俺たちと行くって。そう言いたいのかなって』

『ユウ...』

『愛美さん。すごく綺麗で、すごくセンスが良くて、すごく大人。正直、驚いたんだ。想像以上で』

『…』

『凌馬、お前が愛美さんを好きになった理由は会った瞬間にわかった。俺と凌馬は、女性の趣味が全く違うって思ってたけど、愛美さんに関しては、違ったんだ』

何が言いたい?

しばらくの沈黙。


『...俺も、愛美さんが好きだ』


青天の霹靂。


ユウ、一体何を言うんだ?


『ごめんな、凌馬』