『凌馬君?どうしたの?』

『ごめん、今、忙しい?』

『えっと...あの人から電話があってね。今日は会社の人と食事するからって。だから、外食しようかなって思って...今出たとこなの』

『姉さん1人で?』

『うん』

『僕も一緒じゃだめかな?』

『凌馬君も?全然いいけど...』

『良かった。姉さんの行きたいとこに行くよ、どこに行けばいい?』

『じゃあ...』

僕は、姉さんの言った店に行くため、足早に駅に向かった。

アスファルトはまだ少し濡れていた。

姉さんも電車だ。

どっちが早く着くかな。


姉さんに会いたい…


僕は、ただ、心の底からそう思った。