『凌馬』

ユウが、声をかけてきた。

『お疲れ』

『あのさ、今日って夜、空いてるよな?』

『勝手に僕の予定決めないでくれる?』

『何か予定ある?』

めっちゃ顔を近づけて聞いてくる。

本当に綺麗な顔だな。

男の僕でもドキッとする。

『いや、今日は...』

『良かった!ちょっと会って欲しい子がいるんだけど』

まだ何も言ってない。

被せてきたな。

『えっ、誰?』

『お前のファン。俺のバイト先の美女。凌馬も会ったことあるよ』

『ユウの店に行った時に?』

『あの時に一目惚れしたんだってさ。昨日、お前に会いたいって、俺に言ってきたんだ』


困る。


『覚えてる?店で紹介した女子の中で、1番綺麗だった子』

『ごめん、全然覚えてない』

ユウが、また顔を近づけて言った。

『凌馬、あんな美女を忘れるって、やっぱお前おかしいわ』