1. あなたを初めて見た日


『行ってきまーーーすッ!』

私はそう言って、家を出た。
……
あっ!!!申し遅れました!
私の名前は『如月亜衣(きさらぎあい)』
と申します!
今日は入学式前日で、買い物へ行っている途中なんです!!
どこの高校へ入学するのかはまた後で!!

私はそんなこんなで浮かれまくりながら、桜の並木道を自転車で通っていると……

1人の男の人が桜の木を見つけながら……
泣いていた。

自転車をとめてその光景を見て、すぐにその場を立ち去った……。


なぜ、あの人は泣いていたのか……?


私はそう思いながら、自転車のペダルを漕いだ。……だが、そう考えるにつれ私はその男の人と目が合ったと思い出す。


あの人はなぜ、あの場所で泣いていたのか…
あの人はなぜ桜の木を見てあんな顔をしていたのか…


疑問が重なっていった……。

そして、私は買い物へ!
高校で必要なノート、文房具を購入する。
帰り道にジュースを買い飲みながら駐輪場へ向かった。
その間も私はどこからしボーッとしていた。

家への帰り道、私はもう1度桜の並木道を通った。 だが、その男の人はもういなかった。


あたりまえか……


私はそう思いながら家へ帰る。

『ただいまー』

そう言って階段を上がり自室へ入る。
そして、ベットに寝転ぶ。
その間私は桜並木で見かけた男の人のことをずっと考えていた。

夕方になり夕食を食べお風呂に入り、明日の準備をしてベットに入る。

そして私は思う。

またあの人にあえるかなぁ?……

と。なぜかすごく気になっていた。なぜだろう……?

そんなことを思いながら、いつの間にか私は深い眠りに落ちた。