「体が"透明化"して見えないだけって事か。」

「そゆことやな。
これやったら池田 透も捕まえれるで。
ちなみに今使ったのは小麦粉や。」

男はまだむせていて、傍にあった白いタオルで顔を拭いてるようだ。そのタオルだけが浮いているように見える。

「事件があった時、池田透は刃物を持ってたはずだよな?」

俺は浮いたタオルを見て、
とんでもない事に気づいた。

そう。もし池田透が刃物を持ってたとするなら、
少なくとも1人は浮いた刃物を見ていてもおかしくなかったのに……。

"誰かが刺したのを見た訳でもないんだ…"

廣瀬の言葉を思い出した。


「共犯者がいたんだ……」