図書室は第三会議室からそんなに遠くない。

「あった、これよ。」

芹那さんは卒アルを開くとその男を指さした。
メガネをかけているが、前髪が長くてもはやメガネの役割を果たしていないように見える。

「そうそう!池田 透!そんな名前だったわ。」

俺はその写真を携帯で撮ると芹那さんに礼を言って戻ろうとしたが、芹那さんに腕を捕まれ引き留められた。

「えっと…どうかした?」

「…貴方、他の人と何か違うわね。」

意思の強そうな眼差しで俺の瞳の奥を覗いてきて緊張した。
誉といい、芹那さんといい今日はなんなんだ。

「…よく言われるよ。」

「その池田ってやつも、どこか違ってた。
あずみ先輩もそれを分かってて同情してたわ。
刑事さん、気をつけてね?」

彼女から忠告じみた事を言われて肝に銘じ、
難波さんと烏丸のいる所へ戻った。