「無理」
「ど、どうして……」

きっぱりと断られたため、理由を知りたくなった。


「キスしたからには、もう今までの関係に戻れると思うなよ?」


どうやら健斗はそれが目的だったらしい

私が恋人のフリなんてできないって、今から断るのを防ぐための。


それほど健斗は必死のようだった。
女子の好意から抜け出すために。


だけど私の気持ちも考えてほしい。

キスまでされてるのに、健斗に好意はない……だなんて。

悲しすぎる。


「ひどい…」
「これが俺のやり方」


健斗は気づいてるの?
私が健斗のことが好きだって。

もし気づいていたとしたら、わかっていてこんなことをしていることになる。

じゃあ確実に私は脈なしだ。


複雑な気持ちでいたら、突然図書室の外から声が聞こえてきて。

その声の主は図書室に入ってきたため、私は健斗に離してもらえ、それぞれ再び持ち場へとついた。