そして図書室の中に入れば、すでに健斗はいて。
相変わらずの無表情に不機嫌。
さらには私のほうを一切見ないで、作業を先に始めていた。
あまりのほったらかしさに、さすがの私も悲しくなる。
「もう、健斗先に行かないでよ」
少し拗ねたように言ってみるものの、なんとこれも無視されてしまい。
本気で怒っている様子の健斗。
一度無視されてしまえば、もう話しかける勇気なんて出ず。
重苦しい空気の中、時間だけが過ぎていき。
最初は何人か利用客が来たけれど、いつもと違う図書室の雰囲気が気まずいと思ったのか、すぐ本を借りて帰ったり、何もせずに帰った人も多く、今じゃ健斗とふたりきり。



