帰りたくないって言ったら、困らせるだけ。 わかっているから、私は首を横に振って『なんでもない』と答えた。 「そういや明日、図書委員の仕事だな」 「あっ、本当だ」 週に一度の図書委員の仕事。 すっかり忘れていた。 「てことは、好きなことできるな」 健斗が色っぽく笑うから、思わず顔が熱くなってしまう。 健斗の脳内はピンク色のようだ。 「今日も明日も学校終わってから唯香といられるなんて、すげぇ贅沢してんな、俺」 その時ふと、健斗が真剣な表情に変わって。