「……今さら」
「ば、バカ……健斗、絶対わかってて言ったでしょ?」
「そりゃあな」
「ひどい……言ってよ」
思わず健斗を睨んだけれど、彼は笑っているだけ。
「俺も唯香のほう食べたい」
「えっ……」
すると健斗は私の手首を掴み、動かせないよう固定して、チョコクレープを食べてきた。
「……っ、何して」
「うまいな」
「美味しいけど、ちょっと……」
「もう遅いだろ。ほら、唯香だってまだ食べたいだろ?」
健斗はうまいこと言って、また私に自分のクレープを差し出してきた。
結局私は健斗にうまく言いくるめられ、また彼の手に持つクレープを食べた。



