顔がまた、熱くなる。 「……一回じゃ、足りねぇな」 「何言ってるの」 「まあ約束したから我慢するけど」 健斗はそう言って笑ったけれど、正直私だって足りない……なんて。 きっとここが映画館じゃなかったら、ふたりきりの場所だったら。 もっとキスされてたのにって、思ったり思わなかったり。 だんだんと自分も健斗を求めていることを自覚しつつ、赤くなる顔を隠すようにして私はもう一度、スクリーンに視線を戻した。