「図書委員だからやるんだよ」
「どうして?」
「暇だから」


どうやら健斗は、私とは逆の考えだったらしく、暇だから図書委員をやるようだ。

私にしたら嬉しい。
だって、健斗とふたりきりになれるのだから。



「唯香は嫌なのか?」
「ううん、嫌じゃない。図書委員、人気ないけど私は好き」


健斗と図書委員になれたら、ふたりで過ごす時間が増えるのだ。

そう考えると楽しみで仕方がない。
週に一度の楽しみだ。


「……好き、か」



健斗と同じクラスになれて、席も前後で。
さらにはこうやって誘われて、1日目から嬉しいことだらけ。


2年の最初っから好スタートをきれて、私の心は幸せいっぱいに満たされていた。