「はい」
「……なんでそっち」
「こっちじゃなきゃやだ。
早く食べてよ」
いろいろ恥ずかしすぎて限界だ。
健斗に目で訴えれば、仕方がないというような顔をされ。
ようやく口に運んでくれた。
たったこれだけでも、ドキドキするのには十分な理由だ。
「うまいな」
「良かったね」
これを食べれば間接キスになるって考えただけでも、恥ずかしくて食べられない。
「唯香は食べねぇの?
それとも何?同じようなことしてやろうか?」
「け、結構です!自分で食べるから!」
健斗に食べさせてもらうだなんて恥ずかしく、諦めて自分でそれを口に運ぶ。
うん、美味しい。
でも、たまらなく恥ずかしくて。



