心配でたまらない気持ちのまま、席に座る。 健斗を見れば、視線に気づいた彼が顔を上げた。 「……何、その顔」 そして目が合うなり、私を見て笑うからひどく安心した。 良かった、大丈夫そうだ。 だけど、ならどうして私のことをスルーしたのかなって、引っかかってしまう。 もしかしたら、そこは本気で引いてしまったのかもしれない。 安心したのも束の間、また心配になっていると辺りが暗くなり。 映画が始まるのだろう。 そのため、スクリーンに視線を移そうとしたら……健斗に手を握られた。