「バイト……私もしないとなぁ」 健斗が『バイト』という言葉を出したことによって思い出した。 いつから私、健斗の働くところでバイトできるのだろう。 バイトしたら健斗にちゃんとお返ししないと。 さすがにこれ全部払わせちゃったのは申し訳ない。 「それなんだけど、本当に唯香、働くのか?」 「もちろん!いつから行っていいの?」 「俺は嫌なんだけど」 「……えっ?」 私たちの観る映画が上映される館内へと移動している時に、健斗がそう言った。