唯香に限って、そんなつもりで言ったんじゃないという可能性もある。


ゆっくり寝返りをうつようにして、唯香のほうを向いた。

目を閉じている唯香は、明らかに夢の中。


「寝すぎ」

前回だけでなく今回も寝るだなんて。
しかもベッドの上で、スヤスヤと。


唯香の頭を撫で、彼女をそっと自分の元へと引き寄せる。

唯香はまったく動かない。
気持ちよさそうに寝ている。


そんな唯香を俺は起こさないように抱きしめた。

どこまでもかわいいやつ。
本来なら今ここで襲ってやりたいのに。


「……俺のものにしたい」

唯香の全部を、早く。


「好きすぎておかしくなりそう」

こんなにも好きになってしまった責任を、唯香に全部とってほしいくらいだ。


しばらくその状態でいたが、唯香はなかなか起きることなく、結局今この時間が無駄になったような気がした。