「別に、なんでもない」
「は?」

「後で言うから」
「……まぁ、無理矢理言うことでもねぇけど」

「言わなきゃダメなの!」


だって健斗も行かなければ、また浮気だの誤解されるかもしれない。


だから私は、図書委員の集まりが終わり、教室に戻った際に健斗にその話をした。


「ねぇ、明日ってバイトある?」
「明日?……ないけど」

「本当?じゃあさ、バスケ部の試合観に行こうよ!」


帰る用意をしながら、私は健斗を誘う。

ちょうどバイトはないらしく、タイミングが良かった。