それから、しばらくの間電車に揺られ、光原先輩と私は途切れることなく会話をしていた。
最初はバスケの話をしていたけれど、だんだんと話がそれていき。
「光原先輩、彼女作る気ないんですか?」
「今はバスケだけに集中したいかな。それに、バスケが終われば受験だし」
光原先輩が彼女を作る気がないと知った時は驚きだった。
「とてもタイプな子を見つけても、ですか?」
「んー、それは悩むね」
「悩む……じゃあ、光原先輩のタイプは?」
「俺が好きになった子がタイプ」
そんな抽象的に言われても……答えになっていない。



