残された私たちの間には、重い沈黙が流れて。 ちらっと健斗を見上げれば、睨むように私を見つめてきた。 「な、なんでそんな怒ってるの」 「普通に考えて怒るだろ」 「そんなに嫌だった?」 さっきも『働かせないでください』って言っていたくらいだ。 「嫌だけど、唯香の考えてる“嫌な理由”とは違う」 「……え?ごめん、ちょっと意味がよく……」 「もうバイト中だから私語厳禁」 「あっ、逃げないでよ」 逃げるように健斗は背中を向け、カウンターへと戻ってしまった。 さ、最悪だ……逃げられてしまった。