「えっ、それどころじゃなくて!
き、君名前は!?」
「あっ、鈴野唯香です……!」
「唯香ちゃん、本当に健斗の彼女!?」
どうしても信じられない様子のオーナー。
そりゃそうだろう。
だって健斗は女嫌いなのだ。
「は、はい……」
まあ、フリなのだけれど。
健斗が彼女と紹介したから、一応嘘に合わせる。
「そうか……君が健斗を……おめでとう、どうか幸せにな。
よし、今日は唯香ちゃん、好きなもの食べて行って!健斗のバイト代から引くから!」
「はぁ?何言ってるんですか」
「愛しの彼女のためだろー」
「まあいいですけど」
い、いいんだ。
いや、もちろんそんなことは申し訳なくてさせないけれど。



