プロローグ

□■

桜が、空を覆うように咲いている。
俺の頬にも、花びらが1枚降ってきた。

「はぁっ…」

新しいクラスに馴染めるか、という不安とドキドキで思わずため息が漏れる。
今日は、入学式。
俺は、自分のクラスを確認する。

「1ー3…か…」

そう呟くと、後ろで誰かが転んだ。

「っひゃぁっ!!!」

今時そんな声出して転ぶ人なんていたのか、俺はそう思い、手を差し伸べる。

「大丈夫ですか?」

「あっ…その…大丈夫です…!ありがとうございました!」

女の子は、そう言って早足でどこかへ去っていってしまった。
俺は、そんな女の子に親近感をわかせながら、自分の教室へと向かっていった。