「みんなおはよう!」


明るい口調で教室に入ってきたのは、このクラスの担任である櫻井静乃(さくらいしずの)先生。静乃という名前には似合わないほど活発で親しみやすく、生徒たちから絶大な人気を誇っている。


それに比べて、宮内陽菜(みやうちあきな)という名前の私は誰からも好かれず、暗い学校生活を送っている。いっそのこと、先生の名前と私の名前を取り換えてほしい。


先生は教壇の上に立つと、「朝の会始めるから座ってー!」とクラス中に声をかけた。


高校生にもなって「朝の会」って...。私は心の中でそう思いながら本を机の中にしまった。