その声にロビンは驚き、俺を見る。

「ジャック・グラス!!」

そして覚醒したばかりとは思えないスピードで立ち上がり、俺を捕らえようと体を動かす。

しかし、俺にギリギリ届かないところでロビンにつながれた鎖がチャリンと音を立てた。ロビンは拘束されていることに気づき、「この卑怯者!」と声を荒げる。

「私をどうするつもりだ!?殺すのか?どこかへ売り飛ばして金に変えるのか?どうするつもりだ!!」

怒りに満ちた目で俺を睨む。その目は虎のようだ。ああ、ゾクゾクする。

「俺はあんたを別に売ったりはしない。ここに連れてきたのは話をするためだ」

「話?司法取引でもしたいと言うのか?」

「リーバス・ヴィンヘルムとクリスタル・モーガンのことさ!」

その名前を言った刹那、ロビンの表情が勇ましい虎からかわいらしい子犬へと変化した。ああ、恋とはなんと恐ろしいものだろう。

「俺はあの二人にずっと付いて行ったんだ。タンバリー国であの二人が何をしたのか知っている」

俺は隠し撮りした写真をロビンの足元にばらまく。二人が抱き合っている写真、キスをしている写真、手をつないでいる写真ーーー。その写真を見たロビンは傷ついた顔を見せ、顔を覆う。おもしろい。