俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

「ルーファス様、私だけの力ではありません」

私はリーバスの手を引いて、距離を近づける。

「対策本部のみんなのおかげです!」

ルーファス様たちと話した後は、いつも通りに国王と王妃にドリス国でどんなことをしたのかを報告する。

「うむ。クリスタル、お前はよくやっているのだな」

国王が顎に手を当てる。

「しかし、今はジャック・グラスが脱獄したからな。気をつけなさい」

それはきっと、私の身に何かあったら何でもさせられる保険がいなくなるからだろう。フィリップ王子はきっと、国王たちに私のことを話しているはずだ。そのチャンスをまだ捨ててはいないのだろう。

しかし、それを言うとまた面倒なことになるので、私は「……はい」と頷く。

一時間ほど話した後、私たちは席を立つ。もう報告することはない。

「お待ちください!」

王妃が呼び止める。

「宿はどちらに?よろしければ城の部屋に案内しますよ?」

私は首を横に振った。

「ご心配にはおよびません。宿を取っていますから」

そう言って、私とリーバスは部屋を後にした。



ハリー様、レオナルド様、エリザベス様はドレスやスーツから動きやすそうな服に着替えて待っていた。

「お姉様、早く行きましょう!」

エリザベス様がクリスタルの手を取る。扉の前に三人がいた時は本当に驚いた。

「付き人もちゃんといますし、父上から許可をいただきました。なので大丈夫です」

レオナルド様が笑う。この日を楽しみにしていたんだなとわかる表情だ。