俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

「え〜」

イワンは大げさなほど驚く。俺は、バームクーヘンを奢ってほしいと言ってきたリリー・オクトを思い出した。

「何の話をしているのかイ?」

三人で話していると、リーがやって来た。

「タンバリー国に二人が行った時に、いっぱいお土産買ってきてもらうんだぁ〜」

イワンがはしゃぎながら言う。

「ああ、もうすぐタンバリー国に行くのかイ?」

リーが俺たちに訊ねる。クリスタルが少し緊張したような顔になった。

「ああ、明後日タンバリー国へ行くんだ」

俺がそう答えると、リーもニヤリと笑う。……嫌な予感しかしない。

「私が買ってきてほしい土産はーーー」

結局、リーにも土産のリクエストをこれでもかというほどされてしまった。



忘れ物がないか、私は大きなかばんの中をもう一度見る。リーバスは忘れ物と遅刻に厳しい。

「クリスタル、忘れ物はないか?」

「うん!大丈夫みたい!」

心配そうに訊ねるリーバスに、私は「大丈夫!」と笑顔を向ける。

「なら行くぞ。列車に遅れる」

「うん」

片手にかばん、もう片手をリーバスとつなぎ、私たちは家を出た。タンバリー国へ向かうため。

ベルをレムさんの家で預かってもらい、今日から四日間、タンバリー国で過ごす。

普通に旅行で行くのなら、心はふわふわしていたと思う。でも、国王に会わないといけないからなぁ〜…。そう思うとやっぱりちょっと憂鬱かも。