俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

俺は持ってきたかばんから、壁に穴を空けるための道具を取り出す。

音で警備員に気づかれる?そんな心配は必要ない。マヌケすぎる警備員たちは、催眠ガスが入った俺のお手製の球のせいで深い眠りの中だ。

道具を取り出し、壁を削っていく。少し穴を空けると、俺はそこに小さな四角の物体を入れた。

「……これでよし……」

これは、盗聴器。リーバスたちの動きを知るにはもってこいだ。

リーバスの家に付けるのが一番いいのだが、あの家には怖い番犬がいるしな。

俺は穴を塞ぎ、それを隠すために置いてある棚を少しずらす。

ここはしょっ中アレックスやクリスタルが走り回るため、棚の位置が少々変わろうが誰も気づかない。

俺はニヤリと笑い、会議場を後にした。



「今から十五分の休憩とする!!解散!!」

俺がそう告げると、会議室にさっきとは違う賑やかさが生まれる。

みんなそれぞれ自由に過ごす。友人と話す者、本を読む者、机に突っ伏して眠る者、過ごし方は様々だ。

「ねえねえ、リーバス〜」

机の上に広げられた資料を片付けている俺に、クリスタルが後ろから抱きついてくる。俺は嬉しさを感じながらも、「公共の場だぞ」と注意した。

「だって…小町も、フローレンスも、アレックスもいないんだもん…」

少し寂しげに、クリスタルは言った。