俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

警察官の勤務を終え、俺は自宅へと急ぐ。今日の夕食は、俺の好物のポトフを作るとクリスタルが言っていた。エプロンをつけてキッチンに立つクリスタルを想像し、足が早まる。

「リーバスさん!ちょうどよかった!」

すっかり聞き慣れた声に、俺は振り向く。バスケットを持ったリリーが立っていた。

「ちょうどリーバスさんの家に行こうとしてたんですよ〜」

リリーは、「これどうぞ」と俺の手にバスケットを押し付ける。

「えっ?これは何なんだ?」

戸惑う俺に、リリーは無邪気に笑う。……クリスタルが無邪気なのは、リリーの影響なのだろうか。

「ババロアです。作りすぎちゃったんで、クリスタルとリーバスさんで食べてください!」

「あ、ありがとう…。今度、何かお礼をしよう」

俺がそう言うと、リリーは目を輝かせる。

「じゃあ、今度バームクーヘン奢ってください!すごく好きなんです!」

……どうやら、この女に遠慮という言葉はないようだ。

「わかった。ありがとう。きっとクリスタルも喜ぶ」