俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

セーラは少し寂しげな目をしながら、俺に言った。やはり、この女は使えそうだ。

俺は「指輪の痕がありますね。ご結婚なさっているのですか?」とさりげなく訊ねる。

俺の予想では、セーラは結婚生活がうまくいっていない。だから指輪を外しているのだろう。

この国では離婚手続きが面倒で、どんなに夫婦仲が悪くても離婚しない奴は大勢いる。好意を持っていない相手と一緒にいて何になるんだ?俺には理解はできない。

「そう…です。結婚して、四年目です…」

俺の予想は当たった。セーラは涙を目に浮かべながら、言う。

「夫は結婚する前は優しかったのに、結婚してから変わりました。私に暴力をふるってくるようになったんです。女グセ、酒グセも悪くて、暴力事件を起こし、夫はひと月前までここにいたんです」

……こんな女、正直どうでもいい。この女が不幸だろうが俺は目的が達成できればそれでいいのだ。

「……それは、お辛いですね」

俺は紳士的な笑みを浮かべ、セーラの手を取る。セーラの頰が赤く染まった。



クリスタルがリリーと再会できてから、二人はよく一緒に買い物に出かけたり、家に招くようになった。

クリスタルはとても嬉しそうで、俺も幸せだ。