俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

「好きな人と一緒だもん!!」

そう言って笑うクリスタルは、甘く溶けてしまいそうなかわいい笑顔を見せた。俺の心臓がうるさい。

「……そういうことを気軽に言わないでくれ……」

俺は赤くなる顔を背けながら言う。

「抱きしめてキスしたくなる」

小声でそう言うと、クリスタルが「じゃあ家に帰ったらイチャイチャしよう!」と笑う。……キスだけでは止まらなくなる可能性もあるのだがな。

その時だった。

「あのッ!もしかして……クリスタル・モーガンさん……ですか?」

後ろから声をかけられ、俺とクリスタルは同時に振り向く。

そこには、小さな女の子と手をつないだクリスタルと同い年くらいの女性がいた。明るいダークブラウンの髪を一つにまとめている。

その女性を俺は全く知らないが、クリスタルは違うようだ。

目を潤ませ、女性をずっと見つめている。その唇は震えていた。

「リリー!あなた、リリー・オクトでしょ!?」

クリスタルが涙をこぼしながら、女性に抱きつく。俺は、本当かと女性を見つめた。リリー・オクトはクリスタルが昔引き裂かれた友達だ。

「…はい。正解です」

その女性ーーーリリー・オクトは優しく微笑んだ。



「ジャック・グラス!面会だ!」

そう看守に言われ、俺は拘束を解かれた。重いモノが外れ、俺は体を自由に伸ばす。