俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

とりあえず、俺はクリスタルの行きたい場所へついていくことにした。

クリスタルは、服屋や靴屋などに目を輝かせながら見て入っていく。

「ドリス国に来てから、服が自由に着られて嬉しいんだ!ズボンにも慣れたし!」

クリスタルが売り物のズボンを自分の足に当てながら言う。その顔は楽しそうだ。

クリスタルは、ずっとスカートしか履けなかった。ズボンを履くことを禁止されていたのだ。

「たしかに、色々な服を着るようになったな…」

リリー・オクトの時は、いつもロリータ服などだったな。懐かしい。

「リーバス、ありがとう。行こう!」

クリスタルは、何も買わずに店を出る。俺は目を丸くしながら後を追った。

「お前、何も買わなかったがいいのか?」

訊ねる俺に、クリスタルは「うん!」と笑顔を見せる。

「見るだけでも楽しいから!」

「……女は不思議な生き物だな」

周りのカップルも、女性は何も買わずに見ているだけが多い。しかし楽しそうだ。

「それはそうだよ!だって……」

クリスタルが俺の腕に抱きつく。柔らかな感触や、突然のことに、俺の頭が混乱した。